ここ数年は、不景気のあおりで、新卒者ですら、就職はとても困難。
自分の望む職業に就職することは、過去の時代とは比較にならないほど、年々難しくなってきています。
ただし、自分の望まない職業に就職したため、せっかく就職が決まっても、しばらく働いたのちに、転職する人も、実は少なくありません。
転職は新卒者の就職以上にライバルが多く、狭き門となっているので、そこからの再就職先探しも、まさに困難を極める、といった現状があります。
そういった背景もあってか、最近は学生が資格をとることに、必死になっている、という話もよく耳にするようになりました。
確かに就職に有利な資格さえあれば、何かと心強いもの。
有資格者はそれだけで転職しやすく、優遇されることも多々ありますし、資格を持っている人が少ないために、案外、売り手市場、という職業もあるので、資格をとることも、決して無駄ではありません。
ただし、資格といっても、だれでもとれるような資格は、就職、ましてや転職にはあまり通用しないもの。
あくまでも、それなりの価値がある資格ではないと、就職のためのツール、自分だけの武器にはならないのです。
また、最近の再就職先に絞ったランキングを見てみると、特に資格を生かした仕事が上位に食い込んでいるといった、傾向があります。
それも実は「薬剤師」といったような、かなりの難易度が高い資格が中心。
特に、薬剤師女子生徒にとても人気の職業で、この背景には、実は親が子供に希望する職業、という点でも共通しています。
そういった点では、「視能訓練士」も最近注目されている職業の一つ。
実は、視能訓練士は女性が多い職業としても注目されており、今では実際に働いている視能訓練士の約の90%が女性なんだとか。
薬剤師とともに、専門科目のある4年制の大学を卒業する必要がある資格なので、そう簡単にとれない分、有資格者はかなりのアドバンテージをつかむことができます。
男性の場合も、やはり特殊技能や資格がないと働けない職業が、転職ランキングでも、常に上位。
もともと日本での就職は、文系よりも理系が有利、といわれてきましたが、特にこの不景気の時代は、その傾向がさらに強くなっています。
医師をはじめとした、医療関係の職業は、まず就職先に悩む心配がないので、その点では資格を取ることが有利な就職にも直結します。
また、こういった医師や薬剤師など、資格が必要な職業や、公務員といった安定した職業は、親が子供に望む就職先としても常に上位になる傾向があります。
不景気で就職難という問題は、これから就職する子供だけではなく、その親にとっても重要な関心ごと。子供の就職に親も大いにかかわっている、という背景をそこでもうかがい知ることができます。