2011年3月3日木曜日

ブラック企業を恐れる前に

「就職はしたいけれど、中小企業はいや」という人も実際の本音として、多くの人がその心のどこかで思っていることでしょう。
ただし中小企業とは、一般的に資本金として3億円に満たない会社、もしくは従業員が300人以下の会社が該当するとも言われ、そういった面では日本の会社の9割が中小企業です。

よく、社会経験の少ない学生が中小企業のイメージとして持っているものは、

・規模が小さいので、すぐに倒産する危険がある。
・同族企業が多いので、出世しにくい。
・人が少ないので、とにかく忙しい。
・大手と比べて福利厚生が悪い。

といったことが多いことでしょう。

また、中小企業とやや似たようなイメージで「ペンチャー企業」という存在もあります。
こちらも、会社としての歴史が浅く、安定感がいまいちであること。
また、社員全体が若いので、そういった点でも、会社として信用度が足りない分、やはり就職先や転職先として敬遠されることが多いようです。

では実際、こういった企業は会社としてやはり環境がよくないのでしょうか。

最近は「ブラック企業」という言葉があるように、とにかく職場環境が悪い会社には絶対に入るべきではない!といった風潮があります。
確かに、過酷な労働条件や、いい加減な福利厚生で、法律に触れるようなことを平気で行っている企業もあることは事実で、そういった企業には絶対に入社するべきではありません。

でも勘違いしてはいけないのは、「中小企業やベンチャー企業=ブラック企業」ではないということ。
また、世間的にも名前の知られているような、有名な大企業でも、よもやとすればブラック企業に該当しそうな労働環境にある、と社員が感じているケースも決してゼロではありません。
さらには、規模や従業員の多い大企業と、利益が多く福利厚生も整った一流企業とは、決してイコールではなく、またそこも違うものなのです。

日本の求人倍率は、大手の企業が約0、5%である一方で、分野によっては中小企業では5倍ある、とも言われています。
またとある統計では、いわゆる一流企業に就職できる人の割合は、人口的には1割にも満たないという調査報告もあります。

ここで単純に考えても、一般的によく言われてる「普通」もしくは「普通より少しできる」程度のレベルでは、世間的に一流と言われている会社には、まず就職はできないでしょう。
それは不況の今に限ったことではなく、日本社会の現実として、ずいぶんと前からある就職状況でもあります。

実際、こういった現実をよく理解できずに、とにかくブラック企業を恐れている学生も多いのですが、就職先が見つからない背景には、自ら選択肢を狭めていることもよくあるのです。

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