2011年5月10日火曜日

ブラック企業より怖い「ブラック求人」

就職難といわれるこの不景気な時代、いわゆる日雇いといった仕事ですら、雇用は少ないとも言われています。
一方で、実際の求人とは違った仕事をさせられる、ブラック求人と呼ばれるような、求人もあるのだとか。
これは求人を下請けや孫請けにまでおろして委託しているような場合に、行われていることが多く、誰もやりたがらないような危険な仕事、きつい仕事、といった不人気の求人に実際に行われているという話も聞きます。

「そのままの仕事内容で求人を出したのでは、とてもではないが人が集まらない」
「できるだけ安い賃金で人を集めて働いてもらいたい」
といった背景もこのブラック求人には潜んでいます。

実際、大阪市西成区のあいりん地区で、宮城県女川町での運転手の仕事に応募した男性が、求人内容とは異なり、福島第1原発で働かされていた問題も発覚しています。

この男性は福島第一原発の敷地内で、約2週間、防護服を着用して給水作業に従事しており、放射線を計る線量計も、4日目にやっと配られたような状況。運転手と給水作業では仕事内容も違っていますし、仕事場所すら違うこの求人。
日雇いの仕事につく人は、毎日の生活がやっとというケースも多く、そういった事情に付け込んだような確信犯であれば、とても危険なことです。

募集した業者は、混乱の中で誤った仕事内容を伝えたと釈明しているようですが、実際こういった求人はあってはならないこと。もともと求人を出している企業は、下請け孫請けの求人会社がおこなったことで、一切五州の内容や詳細については、知らなかったということになるでしょう。

劣悪な環境で働かされるブラック企業も怖いのですが、それより前の求人の段階ですでに行われている、やや詐欺まがい的な内容でもある「ブラック求人」。
就職先がないような時代には、こういったこともありえるということも、ぜひ知っておいておきたいものです。

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